主催:富山県立大学 共催:日本音響学会北陸支部 日時:2026年2月6日(金)16:30-18:00 場所:富山県立大学射水キャンパスF221教室(オンライン中継あり) 演題:『信号処理』として捉えた聴覚初期過程 -フィルターバンクだけが初期過程じゃない- 講師:津崎実(京都市立芸術大学/電気通信大学) 概要: 聴覚的な処理を模擬するためによく用いられるのが、ガンマトーン・フィルター・バンクです。この特性を大まかに取り入れた MFCC は、かつて HMM と組み合わせることで、音声認識におけるデファクト・スタンダードとなっていました。しかし、これらを用いれば人間の聴覚を模した信号処理システムを構築できるのかといえば、答えは“否”です。 聴覚的な情報処理の目的は、音声認識だけにとどまりません。 そもそも、なぜ蝸牛基底膜での周波数分析はフーリエ分析的ではないのか。なぜ聴神経には位相固定発火が存在するのか。本来、知覚情報処理の計算論とは、こうした問いに答えることを目指すものでした。 しかし近年の AI ブームでは、これらの中間的な問いを飛び越え、入力と出力の関係さえビッグデータで学習させれば問題は解決するかのような印象が広がっています。それは、内部処理過程を完全なブラックボックスとして扱い、入出力データのみを大量に集めた、かつての行きすぎた行動主義を想起させます。 本講演では、「聴覚処理は何のために存在するのか」という素朴な疑問に、聴講者一人ひとりが自ら答えられるようになるための基礎を提供することを目指します。そのため、抽象的な議論だけに終始せず、具体的な信号処理としての聴覚初期過程について解説します。 --------------------------------------- *本講演会は大学講義を兼ねております。 以下より参加登録をお願いします (懇親会に参加される方は1/22まで、講演会のみ参加の方は1/29まで)。 参加登録 *講演会後に19時より津崎先生を囲んで懇親会を行います。場所は小杉駅周辺です。